【速報解説】久保建英がハムストリング負傷 ― 肉離れはなぜ起こり、どうすれば再発を防げるのか?
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はじめに ― 昨日起きた「世界トップ選手の太もも裏負傷」
2026年1月18日。
スペイン・ラ・リーガ、レアル・ソシエダ vs FCバルセロナ戦。
日本代表の久保建英選手が全速力のスプリント中に左太もも裏を押さえて倒れ込み、途中交代。
試合後の検査でハムストリング(太もも裏)の負傷が確認されたと報道されています。
本人も「少しの間離脱することになった」とコメントし、復帰時期は未定。
トップレベルの試合を見ていた多くのファンが、
「またハムストリングか…」
と感じたのではないでしょうか。
実はこのケガ、
サッカー選手に最も多いスポーツ障害の一つ です。
そして再発率が非常に高い ことで知られています。
この記事では、
-
久保選手の負傷がなぜ起こったのか
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ハムストリング肉離れの科学的発生メカニズム
-
再発しないための最新エビデンスに基づく予防・リハビリ
を、スポーツ医療現場で活かせる視点 で解説します。
1. ハムストリングは「走る競技の宿命的リスク」
ハムストリングは、
-
股関節を伸ばす
-
膝を曲げる
という 二関節筋 です。
スプリント・ダッシュ・キック・ジャンプ。
サッカーに必要なすべての高強度動作で最大出力を担います。
最も危険な瞬間:スプリントの遊脚後期
スポーツ医学のバイオメカニクス研究では、
スプリントの「遊脚後期(terminal swing)」 が
ハムストリング損傷の発生局面であることが明確になっています。
この瞬間、
-
太ももが前に振り出され
-
膝が伸びきり
-
ハムストリングが最大に引き伸ばされ
-
同時に強い「ブレーキ(遠心性収縮)」を行う
という 最も筋肉が傷つきやすい条件 が重なります。
久保選手が倒れ込んだ場面も、
全速スプリントからの減速動作 でした。
つまり、
トップスピードでプレーする選手ほど、このリスクと常に隣り合わせ なのです。
2. なぜハムストリング肉離れは「再発しやすい」のか
ハムストリング肉離れの最大の問題は
再発率の高さ です。
研究では、
一度肉離れを起こした選手の約34%が再発する
と報告されています。
つまり、
「治ったと思って復帰 → 数週間後に再発」
が非常に多い。
プロサッカーの現場でも
ハムストリング再発はチーム成績に直結する重大課題です。
久保選手も今後、
再発を防ぐリハビリプロセスが最大の鍵 になります。
3. 科学が示す「本当のリスク因子」
① 過去の肉離れ歴
最大のリスク因子。
一度傷ついた筋線維は、
-
瘢痕化
-
神経制御低下
-
遠心性筋力不足
を残しやすい。
② 遠心性筋力の不足(ブレーキ力の弱さ)
スプリント終盤、
ハムストリングは「ブレーキ役」です。
-
大腿四頭筋が強すぎ
-
ハムストリングが弱い
この H/Q比の低下 が大きな発生要因。
H/Q比が0.5〜0.6を下回ると
肉離れリスクが3〜17倍 に増大します。
③ 筋束長が短い
大腿二頭筋長頭の筋束が短い選手は
約4倍の発生リスク。
④ 柔軟性の低下
ハムストリング・大腿四頭筋の硬さは
損傷リスクを高めます。
⑤ 骨盤前傾・体幹制御不良
骨盤が前に傾くと
ハムストリングは常に引き伸ばされた状態。
そこへスプリント負荷 → 損傷。
H/Q比とは? ― 肉離れ予防で最も重要な「太もも前後の筋力バランス」
H/Q比の意味
H/Q比 とは、
Hamstrings / Quadriceps ratio
(ハムストリング ÷ 大腿四頭筋)
の略です。
つまり、
「太もも裏の筋力が、太もも前の筋力に対してどれくらいあるか」
を示す指標です。
なぜこの比率が重要なのか?
走る・止まる・蹴る動作では、
-
大腿四頭筋(前側) → 膝を伸ばして「加速」
-
ハムストリング(裏側) → 膝を曲げて「ブレーキ」
という アクセルとブレーキの関係 になっています。
もし、
アクセル(前側)が強すぎて、ブレーキ(裏側)が弱い
と、
止まりきれない → 筋肉が引きちぎられる → 肉離れ
が起こります。
これが H/Q比が低い状態 です。
危険ラインはどこ?
研究では、
-
H/Q比 < 0.5〜0.6
になると、
ハムストリング肉離れの発生リスクが3〜17倍
に増えることが分かっています。
4. 世界トップクラブが必ず導入している最強予防法
ノルディックハムストリングエクササイズ(NHE)
現在、
欧州プロクラブの多くで
義務メニュー化 されています。
メタ分析では、
-
肉離れ発生率 約50%減少
-
再発率 約85%減少
という圧倒的効果。
なぜ効くのか?
-
遠心性筋力が大幅に向上
-
大腿二頭筋の筋束長が伸びる
-
スプリント終盤の「ブレーキ耐性」が強化
つまり、
「切れないハムストリング」を作る運動
なのです。

5. NHE
(ノルディックハムストリングエクササイズ)
だけでは不十分 ― 統合型予防戦略
最新レビューでは、
① ヒップエクステンション遠心トレ
-
大腿二頭筋長頭を選択的に強化
-
H/Q比改善
② 動的ストレッチ
-
運動前の神経筋活性を高める
-
静的ストレッチ単独の予防効果は限定的
③ 体幹・殿筋トレーニング
-
骨盤制御を改善
-
ハムストリング過負荷を防ぐ
結論
NHE + ヒップ遠心強化 + 体幹安定化
これが現時点で最も再発を防ぐ黄金構成
6. 成長期ジュニアアスリートにも共通する課題
近年、
小中学生でもハムストリング肉離れ が増えています。
成長期は、
-
骨が急成長
-
筋が相対的に短く硬くなる
→ ハムストリングは常に伸張ストレス下。
ここに
-
スプリント練習増加
-
体幹・殿筋未発達
が加わり、
若年でも発生・再発 が起こります。
だからこそ、
ジュニア期からの正しい遠心性筋トレ導入
が、将来のケガを防ぎます。
7. 肉離れ後の「本当に必要なリハビリ」
重要なのは、
痛みが消えた=治った ではない
再発しないためには、
-
左右の遠心性筋力差ゼロ
-
H/Q比の安全域回復
-
スプリント恐怖感の消失
これらが揃って初めて競技復帰です。
プロの現場では、
-
ノルディック反復耐久
-
最大スプリント
-
筋エコーで筋束長評価
まで行い復帰判定をします。
一般アスリートにも
段階的復帰評価 が不可欠です。
8. 久保建英の負傷が私たちに示すこと
久保選手の負傷は、
「肉離れはトップ選手でも避けられない」
という現実を示しました。
しかし同時に、
肉離れは科学的介入で大幅に予防できるケガ
になりつつあります。
運任せではなく、
正しい評価とトレーニングで再発を防ぐ時代 です。
まとめ
✔ 発生局面はスプリント遊脚後期
✔ 最大リスクは「過去の肉離れ歴」
✔ 遠心性筋力と筋束長が鍵
✔ ノルディックハムストリングが最強予防
✔ 体幹・殿筋強化と組み合わせる
✔ 痛み消失だけで復帰しない
最後に ― ケガを「繰り返させない」ことが本当の治療
久保建英のようなトップ選手も、
地域のジュニアアスリートも、
身体の原理は同じ です。
「治す」だけでなく、
再発しない身体を作る。
それがスポーツ医療・接骨院の
本当の価値だと私は考えています。
参考文献
Risk factors and injury prevention strategies for hamstring injuries: a narrative review
EFORT Open Reviews (2025)
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