南野選手のケガで注目|前十字靱帯損傷とは?手術とリハビリ、復帰までをやさしく解説
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サッカー日本代表の南野選手が前十字靱帯損傷によりワールドカップ出場が厳しい状況と報じられ、多くの人に衝撃が走りました。
ニュースを見て
「前十字靱帯って何?」
「そんなに大きなケガなの?」
「治らないの?」
と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。
前十字靱帯損傷は、スポーツ選手にとって競技人生を左右することもある大きなケガです。
一方で、名前は聞いたことがあっても、実際にどんなケガなのかを正しく知っている人は少ないのが現状です。
この記事では、医療やスポーツの専門知識がない方でも理解できるように、
前十字靱帯損傷とは何か、なぜ手術が必要になるのか、リハビリや復帰までの流れを、できるだけやさしい言葉で解説します。
前十字靱帯とはどこにあるの?
前十字靱帯(ぜんじゅうじじんたい)は、膝の関節の中にある靱帯です。
靱帯とは、骨と骨をつなぎ、関節が正しく動くように支えている丈夫な組織のことです。
膝にはいくつかの靱帯がありますが、その中でも前十字靱帯は、
-
膝が前にズレすぎないように止める
-
方向転換や急停止のときに膝を安定させる
という、とても重要な役割を担っています。
歩いたり階段を上ったりする日常生活では、前十字靱帯の存在を意識することはほとんどありません。
しかし、走る・跳ぶ・止まる・切り返すといった動きが多いスポーツでは、この靱帯が大きな負担を受けます。
前十字靱帯損傷はどうやって起こる?
前十字靱帯損傷というと、「相手とぶつかって起こるケガ」というイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし実際には、人と接触しなくても起こるケガです。
よくある場面は次のような動きです。
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ダッシュから急に止まったとき
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ジャンプの着地でバランスを崩したとき
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急に方向を変えたとき
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片脚に体重がかかった状態でひねったとき
これらの動きが重なると、膝に強いねじれやズレが生じ、前十字靱帯が耐えきれずに切れてしまいます。
サッカー、バスケットボール、ハンドボール、バレーボール、スキーなどで多く見られ、
特に女性アスリートに多いケガとしても知られています。
前十字靭帯の損傷は他者との接触事故によって発生することもありますが、単独で起こることが多いです。
どんな症状が出るの?
前十字靱帯を損傷すると、次のような症状が現れます。
-
ケガをした瞬間に「ブチッ」「パキッ」といった感覚(ない場合もあります)
-
膝が大きく腫れる(関節内なので、腫れが後から出現することもあります)
-
痛みで体重をかけられない
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膝がガクッと抜けるような不安定感
特に特徴的なのが、「膝が抜ける感じ」です。
一度腫れや痛みが落ち着いても、
走ったり方向転換をしようとすると膝が不安定になり、
「また外れそう」「力が入らない」と感じる人が多くいます。
前十字靱帯は自然に治らない?
ここがとても大切なポイントです。
前十字靱帯は、自然に元どおりにくっついて治ることがほとんどありません。
理由は、
-
血流が少ない場所にある(関節内の靭帯)
-
常に膝が動いてしまう
といった条件が重なっているからです。
そのままにしてしまうと、膝の不安定さが続き、
-
半月板(膝のクッション)が傷つく
-
軟骨がすり減る
-
将来、膝が変形しやすくなる
といった二次的なトラブルにつながる可能性があります。
そのため、スポーツを続けたい人や不安定感が強い人では手術が選択されることが多いのです。
前十字靱帯の手術って何をするの?
日本では前十字靱帯の手術は、「切れた靱帯を縫う手術」ではありません。
多くの場合、前十字靱帯再建術と呼ばれる方法が行われます。
これは、
-
自分の体の中にある腱(太ももや膝の周り)を使い
-
新しい前十字靱帯を作る
という手術です。
現在は、関節鏡という小さなカメラを使って行う手術が主流で、
以前よりも体への負担は小さくなっています。
手術をすればすぐ元に戻る?
答えは いいえ です。
前十字靱帯損傷で最も重要なのは、
手術そのものよりも、その後のリハビリです。
手術はあくまで「スタート地点」。
リハビリをきちんと行わなければ、元の動きには戻れません。
リハビリはどれくらい続くの?
回復は段階的に進みます。
手術後〜3か月
この時期は、
-
膝を少しづつ伸ばす・曲げる(正常な関節の可動域まで戻していく)
-
太ももの筋肉を目覚めさせる
-
正しく歩けるようになる
ことが目標です。
無理をすると、膝が固くなったり、痛みが長引いたりします。
3〜6か月
徐々に運動量が増えていきます。
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筋力トレーニング
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片脚で体を支える練習
-
軽いランニング
ここで焦ると再受傷のリスクが高まります。
6〜9か月
スポーツに近い動きが入ってきます。
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ジャンプ
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着地
-
方向転換
「できる」だけでなく、正しくできているかがとても重要です。
9か月以降
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実戦復帰
-
ケガを防ぐための体づくり
トップレベルの選手10〜12〜12か月以上かかることも珍しくありません。
なぜワールドカップ出場が難しくなるの?
FIFAワールドカップ は、
ただ出場するだけでなく、最高の状態でプレーすることが求められます。
前十字靱帯損傷後は、
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筋力の左右差
-
動きのスピード
-
無意識の反応
-
「また切れるかもしれない」という不安
これらが完全に戻るまで、どうしても時間が必要です。
そのため、大会直前のケガでは、
選手を守るために出場を見送る判断がされることもあります。
再発を防ぐために大切なこと
前十字靱帯損傷は、一度治っても再発のリスクがあるケガです。
大切なのは、
-
太ももだけでなくお尻や体幹を鍛える
-
正しい着地や止まり方を身につける
-
左右差をなくす
-
疲労をためすぎない
「治ったから終わり」ではなく、
ケガをしにくい体を作ることが本当のゴールです。
まとめ|正しい知識が未来のケガを防ぐ
前十字靱帯損傷は、
スポーツ選手にとって非常につらく、大きなケガです。
しかし、
-
正しい治療
-
丁寧なリハビリ
-
再発を防ぐ体づくり
を行えば、再びスポーツを楽しむことは可能です。
今回の南野選手の報道をきっかけに、
膝のケガについて正しく知り、
自分や子ども、身近な人を守る知識として役立ててもらえたら幸いです。
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